2009年3月19日木曜日

勇気づけ

「過去は変えられないが 未来は変えられる。」

私達心理セラピストがクライエントに伝えることが多い言葉の一つです。

自分の過去を悔いるのであれば これからの人生にその過ちから学んだことを生かしていこうという提案です。

罪を犯したこどものお母さんが「育て直したい。」「産み直したい。」と言ったとの新聞記事・ネットの記事を見ることがあります。
残念なことに こればかりはかないません。

育てなおし、産み直しが出来ないからこそ 長期的視野に立った育児が重要となります。

「うつ病」が身近な病気の一つとなりました。また不登校・引きこもり・自殺・親族内殺人という精神的に病んでいる、あるいは病んでいたのであろうと推測できる報道が後を絶ちません。

アドラー心理学を創った精神科医・アドラーは 後に起こりうる精神病を予防する為に 親・教師への「子どもへの対応方法」の教育を提案しました。

アドラーは「甘やかし・過保護・無視・虐待」が性格形成に及ぼす影響を研究し、精神的に健康な大人を育てるために 子ども・児童・生徒への「勇気づけ」が不可欠であると 親・教師への教育に力を注ぎました。精神病理は不可解なものでは無く、劣等感と勇気を挫かれていることに由来しています。

アドラーは精神病理を予防する対策の必要性を説き ヨーロッパ、アメリカで講演・講義を続けました。アドラーの弟子でアドラー心理大学院の基礎を築いたドライカースは「植物に太陽と水が欠かせないのと同様に 子どもには温かい勇気づけが重要である。」との言葉を残しています。

だれもが他者に「勇気づけ」を与えることが出来ます。

親・祖父母・教師・近所の人、勇気を挫かれている子に気付いた大人は 誰でも援助者になることが出来ます。